保険診療

疲労・睡眠外来
疲労・睡眠外来

疲労や睡眠の問題には的確な診断が必要です

疲労は身体からのアラートサインです。「眠っても疲れがとれない」「最近疲れやすい」と感じていると、病気が隠れている場合があります。しかしながら、「どこに相談にいってよいかわからない」「病院で相談してよいかわからない」症状でもあります。当院では、大阪市立大学疲労クリニカルセンターにおいて診療をおこなった経験をもとに適切な診察、検査、治療をおこなっています。疲労は、できるだけ慢性化させないうちに早めに対応することが肝心です。また、慢性化した場合でも悪化させない工夫が重要です。また「疲労に負けない身体づくり」についての相談もおこなっておりますので、お気軽にご相談ください。

病気が原因の疲れ

疲労をきっかけに見つかる病気は数多くあります。

原因不明の疲労や痛み、発熱に対しては
的確な診断が必要です

原因不明の疲労や痛み、発熱に対しては的確な診断が必要です

慢性疲労をとりまく医療問題

医療機関
  • 特定の検査で判断できない
  • 症状、診断基準が複雑で診断ができない
  • 様々な症状に対する知識と経験が必要
  • 教育を受けたことがない、診療した経験がない
  • 自身の経験の中から判断、回答してしまう
  • 特効薬がない
  • 病歴聴取に時間がかかり、患者の要求に応えられない、管理料等の設定がない
家族、同僚、職場
  • 病気、患者のことがよくわからない
  • 病院に行けばどんな病気でも検査や治療があるはず
  • 仕事、家事の穴を埋めないといけない
  • みんな疲れている、自分も疲れている
  • 気持ちの問題であると思ってしまう
患者
  • 怠けていると思われる
  • 特定の検査がない
  • 病院で検査をしても、異常なし、健康、ストレスと告げられ、深刻に扱ってもらえない
  • こころの病と思われたくない
  • 中枢神経に作用する薬がこわい
  • 疾患とのつきあい方がわからない

当院へ通院されている代表的な疾患・事例

過労
働きすぎていませんか?

身体やこころの疲労は、睡眠や食事によって回復されるものですが、特に過重労働が続くとそれができなくなります。こういった状態が続くと、身体やこころへのダメージとなり、さまざまな症状が現れます。

カフェイン、エナジードリンク、栄養剤で何とか乗り越えていませんか?

カフェインは疲労感という疲労の感覚を麻痺させているだけなので、ひと頑張りするときにうまく使用するのはよいですが、疲労(実際のダメージ)は蓄積されてしまいます。

  • 常に納期に追い立てられている
  • 常に営業成績を気にしなければならない
  • 中間管理職として部下と上司の間で苦労が多い
  • 社内の人間関係がうまくいっていない、など

~身体の症状~
・疲労感
・吐き気、動悸
・冷汗、頭痛
・不眠、眠気
・その他の身体の痛み、など

~こころの症状~
・作業し続けることに対する苦痛
・注意力・決断力・集中力の低下
・イライラする、怒りっぽい
・攻撃的など、情動の不安定
・作業意欲の衰退

睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害

睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣病や骨格の問題などにより、睡眠中にのどの奥がつまってしまい、窒息、酸欠状態になっている状態です。
検査により診断が可能です。

ポリソムノグラフィー(PSG)

ご自宅で検査が可能です。

治療

中等から重度の場合は、CPAP治療の適応になります。専用の装置によりマスクから空気をおくりこんで、計算された圧力をおくることで、酸素カプセルと同じような状態をつくり酸欠状態をふせぐ治療です(保険適応)。

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群

これまでに健康に生活していた人が、激しい疲労感、脱力感が出現(持続もしくは繰り返す)。一般的な「慢性疲労」とは違い、生活が著しく損なわれるほどの症状が6ヶ月以上続きます。

  • 微熱、頭痛、のどの痛み
  • 筋肉痛、関節痛、脱力、リンパの腫れ
  • 思考力・集中力の低下
  • 睡眠障害(不眠・過眠)
診断

症状の確認から診断されます。診断には十分な知識と経験が必要とされます。検査で異常を見つけることのできる病気、検査では異常の出ない病気、経過とともにはっきりとした症状がでてくる病気などを慎重に判断する必要があります。
※慢性疲労症候群と誤解されていた例:糖尿病、甲状腺機能低下症、ACTH単独欠損症、クローン病、躁うつ病、アルコール依存症、人格障害、発達障害

治療のポイント

症状の出現からどのくらい時間が経過しているか、これまでどのような治療や過ごし方をしてきたか、元来の脆弱性などを判断して、薬の選択や量の調整が必要です。
また、症状が多彩であり、症状や経過に応じて、睡眠の治療、疼痛に対する治療、消化器症状、循環器症状に対する治療、中枢神経作用薬、漢方治療などの選択が変わります。早期に的確な治療をおこなうほど改善する傾向があります。
特に、元気な時よりも明らかに体力や回復力が低下している状態であるため、病状に合わせた過ごし方のアドバイスが非常に重要となります。

日本医療開発研究機構(AMED)障害者対策総合開発研究事業 神経・筋疾患分野 「慢性疲労症候群に対する治療法の開発と治療ガイドラインの作成」研究班
https://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/guide/efforts/research/kuratsune/
関連書籍:「専門医が教える筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME /CFS)診療の手引き」

大阪市立大学疲労クリニカルセンターに於いておこなわれた臨床研究の報告:PET研究

※患者集団での比較、健康集団との違いを統計的に表示した画像であり、患者個人の画像ではありません。患者個人に対して検査をおこない診断等ができるものではありませんのでご注意ください。

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の患者における症状と脳内炎症の相関部位:脳内のダメージの場所により多彩な症状が出現する可能性

認知機能障害

認知機能障害

疼痛

疼痛

抑うつ症状

抑うつ症状

Nakatomi Y, et al. J Nucl Med. 2014.
中富ら. Brain Nerve. 2018.


筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群におけるセロトニン輸送体密度の低下

前帯状回

前帯状回

扁桃体

扁桃体

綿条体­島

綿条体­島

中富ら. 日本疲労学会学術集会. 2014.

起立性調節性障害、小児慢性疲労症候群

朝起きられない、学校にいけない、すこし動くと疲れてしまうなどの症状で受診されます。
小児慢性疲労症候群は、成人とややタイプが異なる傾向があるとされています。起立性調節障害と診断され、血圧をあげる薬を処方されても治らないことがあります。実際には睡眠に問題がある場合が多いです。特に発達障害の傾向のあるお子さんの場合は睡眠障害が合併しやすく、メラトニン製剤等を服用しながら睡眠覚醒リズムを整える指導をおこなうことで改善する場合があります。
お子さんの場合、いわゆる睡眠導入剤であるベンゾジアゼピン系の薬剤を処方しない工夫が必要です。

小児においては、成人とは違い小児特有の疾患もありますので、まずは小児科でご相談の上、可能であれば紹介状をもとにご受診ください。
成人の起立性調節障害については、脊髄小脳変性症などの特殊な疾患が隠れている場合もありますので、まずは神経内科等でご相談の上、可能であれば紹介状をもとにご受診ください。

新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)

新型コロナウイルス感染症(COVID 19)にかかった後、病状が回復し、PCR検査や抗原検査で陰性となった後にもかかわらず、後遺症として様々な症状がみられる場合があります。
また、症状があっても検査で異常をみとめない場合が多くあります。

主な症状として下記のような症状があります。

・疲労感
・倦怠感
・ブレインフォグ
・筋肉、関節痛
・記憶障害
・睡眠障害
・めまい
・動悸
・息切れ

診断
新型コロナウイルス感染症(COVID 19)の後遺症については、検査に異常が出ない場合には医学的には回復したと判断される場合がありますが、これらの症状が残っている患者も多く、辛い思いをされている方が多いのが現状です。
こういった症状は放っておくとウイルス感染後疲労症候群(慢性疲労症候群)となる事もあるため、早めの受診が望ましいです。
また、休養の継続が望ましい場合は、仕事を休むための診断書などが必要となることがあります。

これら特定の検査のない症状に対する診断には、慢性疲労や睡眠障害などに関する専門的な知識と診療の経験が必要になります。
ナカトミファティーグケアクリニックは「疲れ」や「疲労」の診断、治療に特化しております。
コロナ後遺症外来の患者様も多く診察させていただいておりますので、
新型コロナウイルス感染症の後遺症で悩まれている方、後遺症外来へ行っても回復傾向がみられなかった方は、一度、当院までご相談ください。

メンタルヘルス外来
メンタルヘルス外来

メンタルヘルスと疲労には密接な関係があります

疲労が溜まっていても、仕事や生活が忙しく、身体からのサインに気がつかないことがあります。過労状態や睡眠不足が持続する結果、心身の疲労の蓄積からメンタルヘルス疾患を発症することが知られています。早期に適切な治療をおこなうことが重要となります。まずはご相談ください。


うつ病などのメンタルヘルス疾患

うつ病、適応障害は、過労状態や睡眠不足が持続する結果、心身の疲労が蓄積することで発症する代表的な疾患です。
疲労感・倦怠感が自覚症状として一番多いといわれており、気分の落ち込みや病的な不安感などの精神症状については、自覚している人はほとんどいないか、みとめたくないと思っているうちに重症化、難治化させてしまう場合があります。典型的な例では、早期に適切な治療をおこなうことで、回復することが可能ですので、早めの受診をおすすめします。
また繰り返してしまっている場合には、治療法や環境調整を見直す必要があります。
うつ病、適応障害をはじめとするメンタルヘルス疾患と診断されていても、他の病気が隠れていたり合併していることがあります。
当院では関連する内科疾患に関しても、鑑別を十分におこない誤診を防ぐことを大切にしております。
例)甲状腺機能低下症、ACTH単独欠損症、男性更年期、睡眠時無呼吸症候群など
診断、治療には、まず世界的に共通しているガイドラインを考慮すること、そのうえで一人ひとりに合った治療法を検討することが重要です。症状と経過でのみ診断、治療をおこなう疾患であり、判断は医師の知識・経験に依存することがあります。
当院では、精神科専門医、精神保健指定医、精神科産業医が診断、治療をおこなっております。スムーズな回復を目指し、回復後も繰り返さないためには、回復に応じた体調コントロールをおこない、産業医、人事とも連携することが重要になります。
関西福祉科学大学EAP研究所とともに、うつ病の復職支援プログラムを共同運営した経緯から、復職支援のノウハウについても蓄積しておりますのでご相談ください。

うつ病の主要な病状グラフ

診察イメージ